Nov. 19-21, 2004
早稲田大学国際会議場で,世界アスベスト会議:Global Asbestos Congress 2004 in Tokyo が催されました。
2000年に Brazil で開かれて2回目とのことです。Brazil での会の後,各国で確かに輸入・使用禁止が広まってきているようです。
日本でも今年の10月より原則禁止の措置になりました。

私は,2日目の医科学の分野のセッションに参加してきましたが,労働問題・被害者救済問題・発展途上国での使用の問題・国家間で異なる規制の目をくぐって使用を続ける企業への糾弾等々多くの問題が語られました。

アスベストの生体影響を研究する一研究者としても,やはり,こういう多くの問題の中での医科学研究でなければならないことをもう一度認識しなおさなければならないであろうこと,そして,ある欧州の参加者の発表では,科学的根拠といっても実際の発表に関してはそこに政治的な背景がある場合もあり,鵜呑みに信じてはいけない,という話がありましたが,我々は,科学に則った生態影響を純粋に突き詰めることを行いながら,被害者や既に曝露を受けてはいるが発症していない人の健康の不都合が生じないことへ向けて,出来る領域で精一杯仕事をしなければならないであろう,と,強く感じました。
たて看板です。
会場内の看板と,その前での自撮。
会議録の表紙です。 会場は,早稲田大学国際会議場,で,中央図書館を兼ねている建物です。そこの銅像ですが,ここは野球場の跡だそうで,それを記念してあるものとのことでした。
左:創設者大隈重信の像です。

大隈講堂です:右


朝日に向かって,大隈像の背面から講堂を臨む。

有名な「都の西北」の校歌の碑


大隈庭園の様子です。


早稲田大学教旨の碑です。

キャンパスの秋の彩り



開会式直前と,Opening Ceremony の様子。


セッション3:被災者・家族のエンパワーメントで,日本の患者と家族の会の方々が,窮状を訴えられました。
セッションの後の総合討論の場面で,セッションの発表者が壇上です。
左端は座長の井口先生と鈴木先生,右端から兵庫の西村先生,西池先生,そして,大槻です。

鈴木先生より右に井内広島大学教授と廣島先生,高部先生です。

会場(井深大記念ホール)内の様子です。

大槻の発表の様子を兵庫医大の和田先生が撮ってくださってました。
Mount Sinai Sch. Med の鈴木康乃亮教授と「中皮腫の病因論・免疫」のセッションの座長をされてらっしゃる兵庫医大衛生井口教授(左側)
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会場(井深大記念ホール)内の様子です。


セッション2:環境曝露・危機管理では,マリ・クリスチーヌさんが,座長をされてました。


産業医大の高橋教授の御発表の様子。
Asian Initiative to Stop the Spread of Asbestos-Related Diseases in the Region, A Proposal
Univ. West Australia の Robinson 教授 Univ. West Australia の Robinson 教授とと「アスベスト関連疾患の診断及び治療」のセッションの座長をされてらっしゃる兵庫医大呼吸器中野教授(左側)
ポスター会場です。
右は,パキスタンのDr. Noor Jehan のポスター。パキスタンでアスベストンの研究をしているのは彼女だけだ,とのことです。
↑:主にワークショップが行われた第2会議室です。


福井の日下教授によるILO2000 Workshop です。私も参加してしまいました。 日下教授のご指導の様子。 私は,小木先生,インドからの国際委員会のメンバーでもある Dr. Joshi,高橋先生と同じ班で勉強しました。 Dr. Joshi と日下教授 最後に,研修を受けた証を頂戴しました。




水俣病を生んだ日本で,アスベストの問題ももっと取り上げないと,という処です。しかし,潜伏期間の長さが問題となりますね。
↑:写真展も開かれてました。ロビーで行われてました。日本の疾病で苦しんでおられる方々の写真が訴えかけます。


3Fの展示ブースでは,患者と家族の会や,文京区での保育園児童曝露事件の展示,そしてアスベストセンターの展示がありました。
ビジュアルメッセージ展も行われていました。
アメリカの White Lung Association のバッジです。
閉会式は東京宣言です。

東京宣言が採択されました。
医科学研究者としてアスベストの生体影響にかかわるということの重さをもう一度噛み締めないとなりません。
そして,すべての人が健康に不都合でない世界でないとならないのですね。


2日目の懇親会です。日本舞踊(?)とかっぽれでした。兵庫医大(11/5に交流会を開かせて頂いたばかりでしたが)衛生の皆様も凝られてました。井口教授,和田助教授,発表者でもあった西池先生,西村先生とご一緒しました。
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11/19のWelcome party です。和太鼓でした。
日下教授も見つけました。


会場の近くに甘泉園公園というのがありました。
かつて徳川御三卿の下屋敷が置かれた土地で、甘泉園という名称は園内の湧き水が茶に適していることから名付けられ、園内の水稲荷神社にその碑が残っています。
 春はつつじ、秋は紅葉が水面に美しい日本庭園です。


宿から会場へ行く途中に「江戸川公園〜新江戸川公園」がありました。1日目はあいにくの雨でしたが,2〜3日目は秋晴れの良い日和でした。落ち葉と紅葉もあり,心和む散策路となっております。土日のせいか,犬の散歩に来ている人も沢山居ました。
←説明

捨て猫が多いそうです。
芭蕉に結構所縁があるのですね。
←説明
上水道として最も古い神田上水の辺りで,これは,衛生学としても良い散策ですね。
川は神田川ですが,右にあるように実はでっかい魚も居ました。


21日に空路・岡山へ帰ってきました。東京上空は良く晴れていて,湾岸道路,そして,皇居や・神宮外苑・新宿御苑・代々木公園などの緑や新宿副都心と池袋のサンシャインビルも良く見えました。会場の早稲田も見えますか?

この日は東京国際女子マラソンの当日でもありました。千葉ちゃんは残念でしたね。